徳原大和 「初期の徳原大和 奄美島唄傑作選1」
【ALBUM】初期の徳原大和 奄美島唄傑作選1
波の音と、声と三味線。 極楽アンビエントミュージック
ある日、奄美島唄の音源を聴いていて気づいたことがありました。
これは、一種のアンビエントミュージック=周りでずーっと流れていて環境に溶け込む音楽なんだ!と。
聴いていて気持ちいい。脳みそがある一定の周波数に反応して独特の状態になる。そんな音楽。
そんな気持ちのいい音楽なら、無機的なスタジオではなく、
波が聴こえる奄美の浜で録音してみたい!と考えたことが、このCDの企画の始まりです。
収録曲
# | Title |
---|---|
1 | 長雲 |
2 | 山と与路島 |
3 | 行きゅんにゃ加那 |
4 | 諸鈍長浜 |
5 | むちゃ加那 |
- 唄、三味線:徳原大和
- お囃子:川畑春子
- レコーディングエンジニア:赤川新一(Strip)
- 録音:奄美・加計呂麻島諸鈍長浜 2009年1月
徳原大和は1988年1月に奄美・加計呂麻島諸鈍で生まれ、そこで18歳まで育った生粋の奄美男児(ある意味で野生児)です。
島唄のことばかり考えていた高校時代、家の前にある諸鈍長浜で、毎日海に向かって歌っていました。
そんな彼のことは、いつしか話題になり、観光バスが彼を観るためにやって来たという逸話を生みます。
そして、徳原大和の処女録音地は、やはり、彼の故郷、奄美・諸鈍長浜を措いて他にない!ということで、
現地録音が決まったのでした。
2009年1月下旬、ちょうど、旧正月にあたるその日、録音が行われました。
その数日後には21歳の誕生日を迎える徳原大和の、20歳の録音です。
高音質録音で各方面から評価の高い巨匠・赤川新一さんをエンジニアに迎えて、
必要最小限の録音機材で、 波の音、風の音、鳥の声まで収録することに成功。
良い声、良い三味線、良い環境音の3拍子揃った録音物が出来上がりました。
奄美島唄に関しては、様々な研究があり、これからもいろんなことが掘り下げられて行くと思いますが、
何世代にも渡って口伝されて来た民衆の音楽だけが持つ、強い生命が立ち上がる瞬間を
このCDからも感じていただけることと思います。
この時に録音された音源を3枚に分けてリリースする企画で、今作はその第1弾。
波の音が印象的で、ジャケットイラストにも波をあしらった、通称「波ヤマト」です。
最後に奄美の歌手について少し触れます。
奄美の歌手には、徳原大和の師匠筋にもあたる朝崎郁恵がいます。
彼女の正統な後継者になるべく、徳原大和は日々精進しております。
ポピュラーになった人に、元ちとせ、中孝介がいます。
中孝介は、朝崎郁恵のコンサートや録音で三味線とお囃子を勤めていた時代があり、
現在はその役目を徳原大和が担っています。
徳原大和(とくはら・やまと) プロフィール
1988年1月、奄美大島・加計呂麻島生まれ。
幼少の頃から島の老人に島唄を習い、島唄に囲まれて育つ。
中学生になると、そのたぐい稀なる才能を発揮し、地元の民謡大会で優秀賞を獲得。
以降、各種の民謡大会で数々の賞を受賞。
高校生の頃、加計呂麻島の諸鈍長浜で毎日のように海に向かって演奏していた姿が話題になり、観光バスが彼を観るために停車したという逸話もある。
そんな中、朝崎郁恵の目にとまり、上京を決意。
高校卒業後活動拠点を東京に移し、主に朝崎郁恵のステージで、三味線・お囃子を担当しながら、自身のソロ活動も展開中。
東節(ヒギャブシ)といわれる奄美大島南部に伝わる島唄のレパートリーは幅広く、独自の個性溢れる唄は「なちかしゃ(なつかしさを呼ぶ)」と島の年配者にも好評を博している。
また、島に古くから伝わる諸鈍芝居の若き後継者として、地元からの期待も高い。