ピラニアンズ ファーストアルバムリリース時の、宣伝資料です。
1994年の文章のため、現在とは若干異なる部分もありますが、そのまま掲載します。
ピラニアンズとは
ピアニカの名手・ピアニカ前田を中心に、彼のおメガネ(大村崑タイプ)にかなったメンバーによる純アコースティックバンドである。メンバーは、23才にして素晴らしいテクニックを身に付けたギタリスト、塚本功。ウッドベース一筋にジャズ界で活躍中の長山雄治。コンガ1本、シンバル1枚で大胆かつ繊細なプレイを聴かせるASA-CHANG。そして、リーダーは世界でたった二人だけのプロのピアニカ吹き(もう一人はジャマイカのオーガスタス・パブロ)、御存知、ピアニカ前田。'91年に前田、塚本、長山のトリオで結成し、国立を中心に活動を続け、'93年にゲスト参加したASA-CHANGがそのままメンバーに加わる。東京都(と言っても国立及びその周辺のストリート)から、たまに都内の代々木チョコレートシティに出没、好評を得るが、国立の音楽茶屋「奏」でのいきなりの”今日ライブやらせてくれ”的な活動を中心に現在に至る。
'93年10月青山CAYにて山の手圏内初のワンマンライブを行ない3000人の動員を記録(0がひとつ多い)大成功のままその勢いで北関東・南東北(柏、水戸、日立、いわき、郡山、宇都宮、前橋)ツアーを行ない大絶賛を浴びる。また12月には20日~25日まで吉本新喜劇とピラニアンズの笑いを奏でる大聖夜「吉本の聖書II」にも出演、音楽に対しての方向性を疑われる。そして'94年2月渋谷クラブクアトロにて元ミュートビート小玉和文氏をゲストにむかえてのレコード発売記念ライブでは、NOWでYOUNGなお客であふれチケットがすべて売り切れ、関係者はもちろんのこと当日券を買えなかった常連客を唖然とさせる。
更に緊急追加公演と題して4月に再び渋谷クラブクアトロにてのワンマンライブもまたもやチケット完売という、もはや都内では完全にちょっとしたピラニアブームが漂いはじめる。
2月3月4月と続けての時代に逆らったアナログレコードのリリースも輸入レコード店で相次いでの品切れ状況の中、遂にピラニアンズは1stフルアルバムのレコーディングに突入、エンジニアに釣りが趣味で、愛車CITYで登場する、土井章嗣氏を迎えメンバー4人ほとんど一発録りの完全セルフプロデュースアルバムを完成!地味ながら世界に出しても通用するGOODなアルバムだと一ファンの目からみても思えるCDだと私は宣言する!
前田氏の「生音でよいバランス」を信条に、そのなんとも宴会バンド的編成からは想像も出来ないプレイ・選曲は、日本でも貴重な存在である。前田氏のピアニカもこのユニットで改めて、その表現力の素晴らしさき気付く人も多いのではないだろうか。さらに「日本一、音の小さいバンド」と異名をとるアンサンブルのすごさ、美しさは巨大PA(音響)の音に耳慣れた音楽ファンには、目から鱗が落ちるような感動を与えるであろう。誰でもすぐ吹けそうなピアニカを操る前田氏の、誰にでもすぐ出来そうなバンド、ピラニアンズは、ヘンな言い方をすれば、似たようなバンドが出てきて改めて評価されそうな気がする。ともあれ名前の通り、ナリは小さいが侮れないピラニアのようなサウンドを武器に、音楽ギョーカイを泳いでいってほしいと思うのである。
ピラニアンズ・ファンより