【ALBUM】 Sitting on bottom of the world

【ALBUM】 Sitting on bottom of the world

ファーストフルアルバムから1年8ヶ月、遂に登場するノアルイズのセカンド。
多くの課外活動の成果を十分に消化しつつ、よりバンドとしての表現の奥行きが広がって、あたたかく、ゆる〜く、極楽度もいい感じで上がった、名盤になりました。

メンバーに鈴木総一朗参加。

収録曲


アルバム全曲解説 text by Bo Suzuki

1.フレネシ
メキシコの作曲家、アルベルト・ドミンゲスが1939年に作ったナンバー。我が国でも最もなじみ深いラテン・ポップスとして、50年代に人気を博している。カーニバルのような華やかさと流麗なメロディーのこの曲はノアルイズの最近のライブでオープニングのナンバーとして演奏されるスペシャルな一曲。

2.フェリー・ボート・セレナーデ
ドイツの作曲家、アレンヂャー、リカルド・サントスとして「Holiday in JAPAN」などのホリデイものを数多くてがけた、ウエルナー・ミューラーのナンバー。ジャパネスク・ムード・ミュージックの傑作「East Of India」というアルバムからの一曲。和的なメロディーに西洋のハーモニーをぶちこんだ、ハイブリッドな名曲である。ノアルイズの高揚感あふれる演奏に感動する。

3.テンダリー
1946 年ににウォルター・グロスが曲を、ジャック・ローレンスが詩を書いた不朽の名作。この曲も50年代をとうして最も頻繁に演奏された曲トップ10にはいる、ロマンチックでセクシーな旋律をもったナンバー。NRBQやヤン冨田氏もカヴァーしている、永遠に色褪せない名曲。ノアルイズは結成当初に初吹き込みをしているが、今度は二度目。米のカルト美女シンガー、デイム・ダーシーがノアルイズの伴奏にボーカルをうたった幻のヴァージョンも存在する。

4.ブリーズ・アンド・アイ
この曲もまた50年代、カタリーナ・ヴァレンテのヒット曲として、我が国で好まれたラテン・ポップスの定石。邦題は「そよ風と私」。作者はエキゾチックの定番曲「Jungle
Drums」も書いている、ラテン界のガーシュウィンと異名をとる、アーネスト・レクオナ。このナンバーは前回のアルバム「Noahlewis' Mahlon Taits/ST 」(nowgomix)
にも収録されていたが、今回はガラリとアレンヂを変えて演ってみせた。YMOのインソムニアのようなアコーディオンから徐々に魅惑の世界へ引き込まれる素晴らしい出来!
5.ホーライド
ノアルイズのハワイアン・ギター・プレイヤー、阿部広野氏による曲。情緒性を排したドライなタッチで書かれたメロディーの隙間からもれる、オリエンタリズムが面白い。いってみればジョー・ミークMeets 日本であるわけ。
6.ドリフティング・ハート
ロックの神様といわれる、ベリーだが、以外にヴァラエティーに富んだリズム感をもちあわせていた。この曲は彼のデビュー・アルバム「After School session」1958にひっそり収められていた、ルンバの曲。ノアルイズは大胆にもこの曲のメロディーを再構築すべく、スロー・ワルツにしあげた。その成果いかに。
7.パーラー・インタールード
楽しいレコーディング・セッションを描いたノン・フィクションな曲です。

8.ミュージック・デプト・ソング
カナダの音楽教師が70年代にその生徒達と製作したウクレレ・アルバム「Ukulele On Tour」1973からチョイスされたナンバー。ノアルイズにしてはキュートなポップ・ナンバーだが、ライブでは人気の曲。ステージではいかれたフォー・シズンズばりのコーラスがはいる。

9.フェアウエル・トウー・シャイアン
最近では大河ドラマ作家としてお茶の間での人気も再び盛り上がっている、イタリアの映画音楽作家エンニオ・モリコーネのスパゲッティ・ウエスタンの傑作シネマ、Once Upon A Time In The West (1969)
から選ばれたナンバー。映画を見ないノアルイズが選んだわけは、純粋にその曲のよさから。原曲のミディアム・テンポを極限まで遅く演奏した。バンジョーとギターの寂しい単 音がやるせない。最後のうめき声は誰?

10.ドクター・カプランズ・オフィス
一転してハリウッドの問題児、フィル・スペクターのナンバー。やっぱりあの事件に触発されたスペクター・マニアのノアルイズが選んだのは、Bobby. B & The SocksのシングルのB面曲として発表されたもの。このナンバーはむしろ大瀧詠一さんの3枚目のアルバム、ゴーゴー・ナイアガラに収録されたヴァージョンで耳なじみがあるのかもしれない。ウクレレが可愛らしい、浮遊感たっぷりのポップスにしあがっている。

11.サム・ジーズ・デイズ
戦前のミシシッピーのブルーズ・マン、チャーリー・パットンのヴァージョンにインスパイアされてはじめてみんなでボーカルをとったナンバー。終末感がいやおうなく漂う、悲しい曲ではあるが、これは新しい明日のためである。録音当日は寒い、雨の日だったので、曲のうしろに雨音が聴こえる。


Noahlewis' Mahlon Taits プロフィール

バイオリン、ハンドソウ、アコーディオン、ウクレレ、ギター、ウッドベース、ドラムによる、七人編成の、ゆる〜く楽しく美しいアコースティック・ストリング・バンド。(楽器は他に、クラリネットやチェロ、フルートなど、たくさん使用)

完全生演奏の、音楽への愛に充ち満ちたサウンドで、マニアも思わずうなる活動を展開中。これまでに三枚のCDを発売。'00年から'03年まで、ワールドスタンダードの鈴木惣一朗が参加。サードアルバムには、プロデューサーとして参加している。正装した酔っぱらい達が演奏するライブの様も、他にはない清々しさを見るものに与えてくれます。

1997「BLIND JOE DISK」Noah Lewis名義 7インチアナログ 2曲入り
2000.11「NOAH LEWIS' MAHLON TAITS」7インチアナログ 3曲入り (em Records)
2000.12 em Records コンピレーションCD「SONG CYCLE」に1曲収録
2001.6 マキシシングルCD「SIX PIECES FOR DANCING」(em Records)
2001.11.28 1stフル「NOAHLEWIS' MAHLON TAITS」
2003.5.21 2nd「Sitting on bottom of the world」
2005.1.26 3rd「PLAYS」
Noahlewis' Mahlon Taits
阿部広野 (Bass, Cello, etc)
武末亮 (Guitar, etc)
鈴木望 (Banjo, Bongo, etc)
大島史明 (Ukulele, etc)
森田文哉 (Hand Saw, Clarinet, etc)
佐藤翠 (Violin, Viola, etc)
松本従子 (Accordion, Glockenspiel, etc)

Noahlewis' Mahlon TaitsオフィシャルHP